🤔💭「そろそろ家を買おうか」
そんな話が家族の中で出たとき、みなさんはまず何から始めますか?
スマートフォンで物件情報を検索したり、気になるエリアの新築や中古住宅を眺めたり。
「この家、リビング広いね」「こっちは庭がある!」と物件を見ているだけでも、家探しは楽しいものです。
でも、いろいろな物件を見ているうちに、
🤔💭「結局、どんな家がいいんだろう?」
と分からなくなってしまうことも。
駅や学校に近い家。広いリビングがある家。庭付きの一戸建て。収納が多い家。新築のきれいな家。価格を抑えた中古住宅。
もちろん、全部叶えられれば理想的です。
ところが実際の家探しでは、立地も広さも設備も価格も、すべて希望どおりという物件になかなか出会えないこともあります。
だからこそ、家探しを始める前に一度考えてみたいのが、
「どんな家が欲しい?」ではなく、「その家でどんな暮らしをしたい?」ということ。
家族みんなで話してみると、自分たちが住まいに求めているものが少しずつ見えてきます。
夏休みやお盆など、家族で過ごす時間が増えるこの時期。
この記事をきっかけに、「わが家ならどんな家がいい?」と話してみませんか?
目次
-
-
- 「どんな家に住みたい?」から家探しを始めよう
- まずは家族それぞれの「こんな暮らしがしたい」を出してみよう
- 「どんな暮らし?」を具体的な家の条件に変えてみよう
- 人気の間取り・設備、本当にわが家にも必要?
- 広いLDK
- 対面キッチン
- ファミリークローゼット
- パントリー
- ランドリールーム
- ウッドデッキ・庭
- 吹き抜け
- 書斎・ワークスペース
- 希望条件が多すぎる!そんなときは3つに分けよう
- 今だけでなく「5年後・10年後の暮らし」も考えてみよう
- 理想だけで決めない。「無理なく暮らせる予算」も条件のひとつ
- 条件が全部決まっていなくても、家探しは始められる
- 家族会議で使える「わが家の希望条件チェックリスト」
- まとめ|「どんな家?」より「どんな暮らし?」から始めよう
-
いきなり物件サイトを見る前に考えてみたいこと
家を買おうと思ったら、まず物件情報を探してみる。
もちろん、それも家探しの始め方のひとつです。
ただ、希望条件がまだ曖昧なまま物件を探していると、
🤔「この家もいいけど、あっちもいい」
😔「もう少し待てば、もっといい家が出るかも」
😨「結局、何を基準に決めればいいの?」
と迷いやすくなります。
たとえば、「4LDK・駐車場2台・新築」という条件で探していたとしても、それだけでは本当に自分たちに合った家かどうかは分かりません。
同じ4LDKでも、家族が集まるリビングを広く取りたい家庭もあれば、それぞれの個室を重視したい家庭もある。
駐車場も「2台停められればOK」という家庭もあれば、「子どもが大きくなったときのために3台分欲しい」「駐車が苦手だから広さが欲しい」という家庭もあるでしょう。
大切なのは、条件そのものではなく、なぜその条件が欲しいのかを考えてみることです。
📹動画で解説📹【9割が揉める?】住宅購入で夫婦ゲンカ勃発!予算・立地・間取りの意見対立をプロが解決します
「どんな家」より「どんな暮らしがしたい?」から考える
「どんな家に住みたい?」
こう聞かれると、意外と答えるのは難しいものです。
そこで、少し質問を変えてみましょう。
「新しい家で、どんな暮らしがしたい?」
これなら、いろいろな希望が出てくるのではないでしょうか。
👨👩👧👦「休日は家族でリビングに集まって過ごしたい」
🧼「洗濯や料理を少しでもラクにしたい」
🏘️「子どもが遊べる庭が欲しい」
🚃「通勤時間を短くして、朝に余裕が欲しい」
🚗「車を気兼ねなく停められる家がいい」
🧘「家族それぞれが一人になれる場所も欲しい」
こうした暮らしのイメージが見えてくると、必要な住まいの条件も自然と具体的になってきます。
「家族で過ごす時間を大切にしたい」
→ 広めのLDKや対面キッチンがあったらいいな。
「毎日の家事をラクにしたい」
→ キッチン・洗面室・ランドリースペースの動線を重視したい。
「子どもをのびのび遊ばせたい」
→ 庭のある一戸建てや、公園が近いエリアで探してみようか。
というように、暮らしを先に考え、そのために必要な条件を探していくわけです。
物件の条件から暮らしを決めるのではなく、自分たちがしたい暮らしから物件の条件を決める。
この順番にするだけでも、家探しの基準はずいぶん分かりやすくなります。
夏休みは家族で住まいについて話すいい機会
普段は仕事や学校、家事などで忙しく、家族みんなで「これからどんな家に住みたい?」と話す機会は、意外と少ないものです。
だからこそ、夏休みやお盆など、家族で過ごす時間が増えるタイミングを利用してみるのもおすすめです。
難しい話をする必要はありません。
「今の家で、ちょっと不便だと思うところは?」
「新しい家でやってみたいことは?」
「一つだけ希望が叶うなら何がいい?」
そんな話から始めてみましょう。
お父さんは「駐車場と書斎」、お母さんは「収納と家事動線」、子どもは「自分の部屋と大きな庭」。
家族だからといって、希望が同じとは限りません。
むしろ、違って当然です。
最初から意見を一つにまとめる必要もありません。
まずは家族それぞれが、今の暮らしで困っていることや、新しい家でやってみたいことを出してみる。
それが、わが家に合った住まいを考える第一歩になります。
そして、この段階では予算や物件数を気にしすぎなくても大丈夫です。
まずは、
「わが家は、どんな暮らしがしたい?」
そこから始めてみましょう。
次は、家族それぞれの希望をもう少し具体的に整理していきます。
2. 家族それぞれの「こんな暮らしがしたい」を出してみよう
「どんな暮らしがしたい?」といっても、いきなり答えを出すのは難しいかもしれません。
そんなときは、今の生活を振り返ってみると考えやすくなります。
「今の暮らしで不便なことは?」
「家を買ったら、何を変えたい?」
この2つから考えてみましょう。
たとえば、毎朝の通勤に時間がかかっているなら「職場に近い場所に住みたい」。子どもが家の中で遊ぶたびに周囲への音が気になるなら「のびのび過ごせる家にしたい」。
こうした日々のちょっとした不満の中に、わが家に必要な住まいの条件が隠れています。
通勤・通学をラクにしたい
毎日のことだからこそ、通勤・通学のしやすさは暮らしやすさに大きく関わります。
「職場まで車で30分以内がいい」
「子どもが歩いて通学できる場所にしたい」
「将来、高校へ通うことも考えて駅やバス停の近くがいい」
など、家族によって重視するポイントはさまざまです。
ここで考えたいのは、単純な距離だけではありません。
大分市内でも、朝夕の時間帯によって道路の混み方は変わります。地図では近く見えても、実際の通勤時間は思った以上にかかることもあります。
また、今は保護者が車で送り迎えできても、子どもが成長すれば一人で移動する機会も増えていきます。
「今便利か」だけでなく、数年後の家族にとっても暮らしやすい場所かという視点も持っておきましょう。
子どもがのびのび過ごせる家にしたい
「子どもが思いきり遊べる家にしたい」という希望から、マイホームを考え始める家庭もあります。
庭で遊んだり、夏にはプールを出したり、リビングで走り回ったり。
そんな暮らしを思い描くなら、庭のある一戸建てや、広めのLDKなどが候補になるかもしれません。
一方で、家そのものの広さだけでなく、
「近くに公園がある」
「学校までの道のりが安心できる」
「子育てに必要な施設へ行きやすい」
といった周辺環境も大切です。
「子どものために広い家が欲しい」と考えていたけれど、話してみたら本当に欲しかったのは安心して遊べる環境だったということもあります。
家事をラクにしたい
毎日繰り返す料理、洗濯、掃除。
家を買うなら、今より少しでも家事をラクにしたいと思う方も多いでしょう。
たとえば、
「洗濯して、干して、しまうまでを近い場所で済ませたい」
「買い物から帰ったら、すぐキッチンへ荷物を運びたい」
「掃除道具や日用品を使う場所の近くに収納したい」
など。
こうして実際の家事を思い浮かべてみると、「ランドリールームが欲しい」「パントリーが欲しい」といった設備そのものより、どう動ける家ならラクなのかが見えてきます。
今の住まいで「毎日これが面倒!」と思っていることがあれば、ぜひ家族会議の議題にしてみてください。
休日を家で楽しみたい
マイホームを買ったら、休日の過ごし方を変えたいという人もいるでしょう。
庭でバーベキューをしたい。
家庭菜園をやってみたい。
広いリビングで映画を観たい。
趣味を楽しめるスペースが欲しい。
友人を呼んで食事をしたい。
そんな「家でやってみたいこと」を考えると、必要な条件も見えてきます。
特に最近は、家を単に「寝て生活する場所」としてではなく、休日や趣味を楽しむ場所として考えることも、住まい選びのポイントの一つです。
せっかく家を買うなら、「何部屋必要?」だけではなく、「この家で休日に何をしたい?」も家族で話してみましょう。
車を2台・3台停めたい
車を使う機会が多い家庭では、駐車場も重要な条件です。
夫婦で1台ずつなら2台。
来客用も考えるなら3台。
さらに、子どもが成長して車を持つようになれば、必要な台数が増える可能性もあります。
ただし、「駐車3台可」と書かれていれば何でも同じ、というわけではありません。
3台を並べて停められるのか、縦列駐車になるのか。大きな車でも出入りしやすいのか。
毎日使うものだからこそ、台数だけでなく「どう停めたいか」まで考えておくと、物件を選びやすくなります。
ペットと暮らしたい
「家を買ったら犬を飼いたい」
「猫が自由に過ごせる家にしたい」
という夢があるなら、それも立派な希望条件です。
犬と暮らすなら散歩しやすい周辺環境や庭が欲しいかもしれませんし、猫と暮らすなら室内で運動できるスペースや日当たりを重視するかもしれません。
マンションの場合は、ペット飼育の可否だけでなく、飼育できる種類や頭数、大きさなどが管理規約で定められていることもあります。
「いつか飼えたらいいな」という段階でも構いません。
家は長く暮らす場所だからこそ、これからやってみたいことも条件に入れて考えてみましょう。
家族それぞれ希望が違っても大丈夫
ここまで考えてみると、家族それぞれの希望がかなり違うことに気づくかもしれません。
「職場に近い場所がいい」
「庭が欲しい」
「買い物が便利な場所がいい」
「とにかく広いリビング!」
「自分の部屋が欲しい!」
全部聞いていたら、そんな家あるの?と思うくらい条件が出てくることもあるでしょう。
でも、この段階ではそれで大丈夫です。
最初から条件を絞るのではなく、まずは家族全員の希望を出してみることが大切です。
そして、もう一つ聞いてみてください。
「それって、どうして欲しいの?」
「庭が欲しい」
→ 子どもを遊ばせたいから。
「広いLDKが欲しい」
→ 家族で一緒に過ごしたいから。
「駅の近くがいい」
→ 子どもが将来自分で通学できるようにしたいから。
理由まで分かると、必ずしも最初に思い浮かべた条件だけが答えではないこともあります。
家族みんなの希望を全部叶える物件を探すのではなく、わが家がどんな暮らしを大切にしたいのかを見つける。
まずはそこから始めてみましょう。
次は、こうして出てきた「暮らしの希望」を、実際に物件を探すための具体的な条件へ変えていきます。
3. 「どんな暮らし?」を具体的な家の条件に変えてみよう
家族それぞれの「こんな暮らしがしたい」が出てきたら、次はそれを具体的な家の条件に変えていきましょう。
ここで初めて、
「どのエリアで探す?」
「戸建てとマンション、どっち?」
「何LDKくらい必要?」
といった、物件探しでよく見る条件を考えていきます。
ポイントは、最初から条件を固めすぎないこと。
たとえば「○○小学校区の新築4LDK、駐車場3台」と決めてしまうと、条件に少し合わないだけで、本当は自分たちの暮らしに合っている物件まで候補から外してしまうことがあります。
まずは大まかな方向性を考えてみましょう。
住みたいエリア・立地
家探しの条件として、最初に考える人が多いのが「どこに住むか」です。
今住んでいる地域の近く、実家の近く、勤務先へのアクセスがいい場所、子どもの学校区など、住みたいエリアがすでに決まっている家庭もあるでしょう。
一方で、特定の町名まで決める必要はありません。
「職場まで車で30分くらい」
「実家へ行きやすい場所」
「学校やスーパーが近いところ」
「静かな住宅街」
というように、まずは暮らしを基準にエリアを考える方法もあります。
また、同じエリアでも、駅や幹線道路に近い場所と住宅街の中では暮らしやすさが違います。
便利な場所を選べば通勤や買い物はしやすくなりますが、その分、交通量や周辺の音が気になることもあります。少し中心部から離れることで、同じ予算でも広い土地や建物を探しやすくなる場合もあります。
「○○町に住みたい」だけでなく、「なぜそこに住みたいのか」まで考えてみることがポイントです。
理由が分かれば、希望していたエリアの隣の地域まで候補を広げられるかもしれません。
戸建て?マンション?
「マイホーム=戸建て」と考えている人もいれば、マンションを希望する人もいます。
どちらが良いかは、家族がどんな暮らしをしたいかによって変わります。
たとえば、
「庭が欲しい」
「車を複数台停めたい」
「上下階への生活音をあまり気にせず暮らしたい」
という希望があるなら、戸建てが候補になりやすいでしょう。
一方、
「できるだけ便利な場所に住みたい」
「建物や敷地の管理に手間をかけたくない」
「ワンフロアで生活したい」
といった希望なら、マンションが合っているかもしれません。
もちろん、戸建てにもマンションにもメリット・デメリットがあります。
大切なのは、「戸建てがいい」「マンションがいい」と先に決めることではなく、自分たちがしたい暮らしには、どちらが合っているのかという視点で考えることです。
迷っているなら、最初からどちらかに絞らず、両方の物件を見てみるのも一つの方法です。
新築?中古?
新築か中古かも、家探しで迷いやすい条件の一つです。
新築には、新しい設備やきれいな室内、まだ誰も住んでいない家ならではの魅力があります。
一方、中古住宅は新築とは違った価格帯や立地から探せるため、選択肢を広げられることがあります。
たとえば、
「新築にこだわっていたけれど、希望エリアでは予算が合わない」
という場合でも、中古まで広げることで希望するエリアに物件が見つかるかもしれません。
反対に、
「中古を安く買ってリフォームしよう」
と考えていても、建物の状態や希望するリフォーム内容によっては、購入後にまとまった費用が必要になることもあります。
そのため、「新築だから安心」「中古だから安い」と単純に考えるのではなく、立地・価格・建物の状態・購入後にかかる費用まで含めて比べることが大切です。
「絶対に新築」「中古しか考えない」と決まっていなければ、まずは両方を候補に入れて探してみてもいいでしょう。
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広さ・部屋数・間取り
「4人家族だから4LDK」
というように、家族の人数から部屋数を決める人も多いと思います。
もちろん必要な個室の数は大切ですが、それだけでなくその部屋をどう使うのかまで考えてみましょう。
夫婦の寝室。
子ども部屋。
仕事をするスペース。
来客用の部屋。
趣味の部屋。
同じ4人家族でも、必要な間取りは家庭によって違います。
また、「広い家がいい」と思っていても、床面積が大きければ必ず暮らしやすいわけではありません。
廊下が少なく居室を広く取った家もあれば、同じ床面積でも収納を多く確保した家もあります。
数字だけを見るのではなく、
「どこで、誰が、何をして過ごすのか」
を想像してみることが大切です。
今の住まいについて「リビングはもう少し広ければ十分」「逆に収納はもっと欲しい」など、不満なところと満足しているところを書き出してみるのもおすすめです。
駐車場・庭・収納など
建物以外にも、暮らしやすさを左右する条件があります。
代表的なのが、駐車場・庭・収納です。
車を2台所有しているなら、最低でも2台分の駐車スペースが必要です。
ただ、将来子どもが車を持つ可能性や、親や友人が遊びに来ることまで考えると、「できれば3台」という希望が出てくる家庭もあるでしょう。
庭についても、
「子どもを遊ばせたい」
「家庭菜園をしたい」
「バーベキューを楽しみたい」
など、何に使いたいのかを考えてみます。
「庭付き」に憧れていたものの、話してみると欲しかったのは「外で子どもが遊べるスペース」で、自宅の近くに大きな公園があれば十分という家庭もあるかもしれません。
収納も同じです。
収納が多ければいいというより、
「キャンプ用品を置きたい」
「ベビーカーを玄関に収納したい」
「食品や日用品をまとめて保管したい」
など、何を収納したいのかまで考えると必要な場所や広さが見えてきます。
条件を考えるときは、「欲しい設備」だけでなく「何のために欲しいのか」をセットで考えてみましょう。
通勤・通学・買い物など周辺環境
物件を探していると、どうしても建物や間取りに目が向きがちですが、購入後の暮らしを考えるなら周辺環境も重要です。
スーパーやコンビニ、学校、病院、公園、駅、バス停など。
ただし、ここでも「近ければ近いほど良い」とは限りません。
たとえばスーパーなら、
「徒歩5分以内がいい」という家庭もあれば、
「週末に車でまとめ買いするから、車で10分程度なら問題ない」という家庭もあります。
通勤についても同じです。
勤務先までの距離だけでなく、実際に利用する道路や朝夕の交通状況によって、かかる時間は変わります。
子どもの通学なら、学校までの距離だけではなく、歩道の有無や交通量など、実際の通学経路を確認しておきたいところです。
病院や公園なども含め、自分たちが普段どんな場所を利用しているのかを一度振り返ってみると、必要な周辺環境が分かりやすくなります。
ここまで考えると、
「○○エリア・新築戸建て・4LDK・駐車場3台」
といった単なる検索条件ではなく、
「通勤しやすい場所で、子どもがのびのび暮らせて、家族で過ごすリビングを大切にしたい」
という、わが家なりの住まい選びの基準が少しずつ見えてきます。
ただし、ここで一つ困ったことが出てきます。
家族で話せば話すほど、
「あれも欲しい」
「これも欲しい」
と条件が増えていくことです。
そこで次は、広いLDKや対面キッチン、ファミリークローゼットなど、人気の間取りや設備について、「人気だから」ではなく「本当にわが家に必要なのか」という視点から考えてみましょう。
4. 人気の間取り・設備、本当にわが家にも必要?
家探しを始めると、いろいろな「憧れ」が出てきます。
広いLDK、対面キッチン、ファミリークローゼット、ランドリールーム、吹き抜け……。
SNSや住宅情報サイトを見ていると、
「これいい!」
「新しい家には絶対ほしい!」
と、いつの間にか希望条件が増えていることも。
もちろん、人気の間取りや設備には、それだけ支持される理由があります。
ただし、人気があることと、自分たちの暮らしに必要なことは別です。
せっかく取り入れても、暮らし方に合っていなければ「思ったより使わなかった」となることもあります。
ここでは人気の間取りや設備を、「あると素敵!」だけではなく、実際にそこで暮らすことを想像しながら考えてみましょう。
広いLDK|広ければ広いほどいい?
家族が集まるLDKは、マイホームでこだわりたい場所の一つです。
「今はリビングが狭いから、次は20帖以上!」
そんな希望が出ることもあるでしょう。
広いLDKなら、大きなソファやダイニングテーブルを置きやすく、家族でゆったり過ごせます。子どもが遊ぶスペースも確保しやすくなります。
ただ、LDKを広くすれば、その分ほかのスペースとのバランスも考える必要があります。
収納を増やしたい。1階にもう一部屋欲しい。洗面室を広くしたい。
限られた床面積の中では、すべてを広くするのは難しいものです。
さらに、広さだけでなく家具を置いた状態を想像することも大切です。
「20帖」という数字にこだわるより、
家族が普段どこで、どんなふうに過ごしたいのか。
そこから必要な広さを考えてみましょう。
対面キッチン|家族が見える=使いやすい?
リビングやダイニングを見渡しながら料理ができる対面キッチン。
子どもの様子を見ながら料理をしたり、家族と話しながら家事ができたりと、人気のある間取りです。
一方で、キッチンの使い方によっては、壁付けキッチンのほうが合う家庭もあります。
料理に集中したい。
キッチンから生活感が見えにくいほうがいい。
LDKのスペースをできるだけ広く使いたい。
そんな家庭なら、「対面キッチンであること」を絶対条件にする必要はないかもしれません。
大切なのはキッチンの形ではなく、誰が料理をして、その間家族がどう過ごしているのかです。
ファミリークローゼット|大容量なら片付く?
家族の衣類や荷物をまとめて収納できるファミリークローゼットも、人気の間取りです。
各部屋へ洗濯物を運ぶ手間を減らせたり、収納場所をまとめられたりするメリットがあります。
ただし、「大きな収納があれば自然と片付く」とは限りません。
朝の着替えはどこでするのか。
洗濯物をたたんだあと、どこへしまうのか。
家族全員が同じ場所に衣類を収納したほうが便利なのか。
家族それぞれの部屋に収納したほうが使いやすいのか。
ファミリークローゼットは、広さ以上に場所と生活動線との相性が大切です。
「流行っているから欲しい」ではなく、今の家で衣類の収納にどんな不便を感じているのかから考えてみましょう。
パントリー|その収納、本当に食品だけ?
食品や飲料、日用品などをまとめて保管できるパントリー。
まとめ買いをする家庭なら、あると便利な収納です。
一方で、買い物の頻度が高く、あまり食品をストックしない家庭なら、大きなパントリーを十分に使わない可能性もあります。
また、パントリーを確保するためにキッチンやLDKが狭くなるのであれば、どちらを優先したいかも考えたいところです。
「パントリーが欲しい」ではなく、
「わが家は何を、どれくらいストックしている?」
と考えてみる。
実際に今ある食品や日用品を見てみると、必要な収納量が意外と分かりやすくなります。
ランドリールーム|家事ラクの正解は家庭によって違う
「洗う・干す・たたむ」を一か所で行えるランドリールーム。
家事の負担を減らしたい家庭にとって、魅力的なスペースです。
ただし、洗濯の方法は家庭によってかなり違います。
外干しが中心なのか。
室内干しが多いのか。
乾燥機をよく使うのか。
夜に洗濯することが多いのか。
家族の人数や洗濯物の量によっても、使いやすい間取りは変わります。
ランドリールームという「部屋」が必要なのではなく、洗濯機から干す場所、収納する場所までの移動が短ければ十分という家庭もあるでしょう。
「ランドリールームが欲しい」ではなく、「洗濯をどうラクにしたい?」
ここを考えることが大切です。
ウッドデッキ・庭|そこで何をしたい?
庭のある家にウッドデッキ。
マイホームらしい憧れの一つかもしれません。
休日に家族でバーベキューをしたり、子どもが遊んだり、椅子を置いてのんびりしたり。
実際に使うイメージがある家庭なら、暮らしを楽しめる場所になります。
一方、庭があれば草刈りや植栽の手入れなども必要になります。ウッドデッキも設置して終わりではなく、素材などによっては定期的なお手入れが必要です。
「庭付きだからいい」ではなく、
庭で何をしたいのか、そのためにどれくらいの広さが必要なのか。
ここまで考えてみましょう。
もしかすると、大きな庭より駐車場をもう1台分確保したほうが、自分たちには便利という答えになるかもしれません。
吹き抜け|開放感だけで決めない
高い天井と大きな窓から光が入る吹き抜け。
モデルハウスなどで見ると、開放感があり「こんなリビングに住みたい!」と思う人もいるでしょう。
一方で、吹き抜けを取り入れる場合は、冷暖房の効き方や音・においの広がり方、2階部分に使える床面積なども考えておきたいところです。
もちろん、住宅の断熱性能や空調計画などによっても変わるため、「吹き抜けだから暑い・寒い」と一概にはいえません。
だからこそ、見た目の開放感だけで判断するのではなく、実際にそこで一年中暮らすことまで想像することが大切です。
夏の住まいと冷房については、次回の記事(8/20更新予定)でも詳しく取り上げます。
書斎・ワークスペース|「部屋」が必要とは限らない
在宅勤務や趣味のために、書斎が欲しいという人もいるでしょう。
一人で集中できる部屋が必要なら、独立した書斎は魅力的です。
ただ、仕事で使うのは週に1回程度、パソコンを使うのは夜の1~2時間という程度なら、必ずしも一部屋を丸ごと書斎にする必要はないかもしれません。
リビングの一角にカウンターを設けたり、寝室の一部をワークスペースにしたりする方法もあります。
「書斎が欲しい」ではなく、
「何をする場所が欲しいのか」「どれくらいの時間使うのか」
まで考えると、自分たちに必要なスペースが見えてきます。
「人気だから欲しい」から「わが家に必要?」へ
家探しをしていると、魅力的な設備や間取りが次々と目に入ってきます。
もちろん、マイホームに憧れを持つことは悪いことではありません。
むしろ、「こんな家に住みたい」と楽しみながら考えるのも家探しの醍醐味です。
ただ、そこで一度だけ、
「これがあったら、わが家の暮らしはどう変わる?」
と考えてみてください。
毎日使うものなのか。
今感じている不便が解消されるのか。
休日をもっと楽しめるのか。
それとも、「なんとなく素敵だから」欲しいのか。
SNSやモデルハウスには、魅力的な家がたくさんあります。
でも、そこで暮らすのは自分たち家族です。
理想の家は、人気の設備がたくさん付いた家ではなく、自分たちの暮らしに合った家。
そう考えると、「欲しいもの」と「なくても困らないもの」が少しずつ見えてきます。
そして、おそらくここまで家族で話していると、希望条件はかなり増えているはずです。
5. 希望条件が多すぎる!そんなときは3つに分けよう
ここまで家族で話してみると、
「学校区は変えたくない」
「駐車場は3台欲しい」
「広いLDKがいい」
「収納も多いほうがいい」
「できれば新築」
「庭も欲しい」
……と、希望条件がどんどん増えているかもしれません。
それは決して悪いことではありません。
最初にたくさん希望を出したからこそ、「わが家が家に求めているもの」が見えてきたということです。
ただ、実際の家探しでは、すべての条件を満たす物件が見つかるとは限りません。
そこで、出てきた希望条件を次の3つに分けてみましょう。
「絶対に譲れない」
「できれば叶えたい」
「なくても困らない」
最初から希望を諦めるためではありません。
たくさんある希望の中から、自分たちが本当に大切にしたいものを見つけるための整理です。
絶対に譲れない条件
まずは、「これだけは外せない」という条件です。
たとえば、
「子どもを転校させたくないので、今の学校区内」
「夫婦で毎日車を使うので、駐車場2台以上」
「毎月無理なく返済できる予算内」
「家族それぞれの個室を確保できる間取り」
など。
ここでのポイントは、「欲しい」ではなく「ないと困る」条件を考えることです。
「新築がいい」
と思っていても、その理由を聞いてみると、
「できるだけ修繕の心配をせずに暮らしたい」
ということかもしれません。
そうであれば、状態の良い中古住宅やリフォーム済み物件まで候補にできる可能性があります。
「○○町がいい」という希望も、
「実家にすぐ行ける場所に住みたい」
ことが理由なら、隣接するエリアでも目的を叶えられるかもしれません。
条件そのものを絶対にするのではなく、その条件が必要な理由まで考えておくことが大切です。
できれば叶えたい条件
次は、「なくても暮らせるけれど、できれば欲しい」という条件です。
たとえば、
「庭が欲しい」
「LDKは18帖以上」
「パントリーが欲しい」
「南向きがいい」
「駅やバス停が近いほうがいい」
「築年数はできるだけ浅いほうがいい」
など。
この「できれば」があると、物件を比較するときに役立ちます。
たとえば、どちらも「絶対に譲れない条件」を満たしている2つの物件で迷ったとき。
Aの家は庭がある。
Bの家はパントリーと広い収納がある。
そんなとき、「できれば叶えたい条件」の中で何を優先したいのかが分かっていれば、判断しやすくなります。
また、家探しを始めた時点では「絶対に欲しい」と思っていた条件が、実際に物件を見るうちに「できればでいいかな」と変わることもあります。
希望条件は、一度決めたら変更してはいけないものではありません。
実際の物件を見ながら優先順位を変えていくことも、家探しの一部です。
なくても困らない条件
最後は、「あったらうれしいけれど、なくても困らない」という条件です。
ここが意外と重要です。
SNSで見た大きなパントリー。
モデルハウスで気に入った吹き抜け。
友人の家にあったウッドデッキ。
見ていると欲しくなりますが、
「それがない家だったら、候補から外す?」
と考えてみてください。
「そこまではしないかな」と思うのであれば、優先順位はそれほど高くないのかもしれません。
もちろん、あればうれしいものは希望条件として残しておいて構いません。
ただ、「なくても困らない」と分かっているだけで、物件選びの幅はかなり広がります。
理想の家を探すためには、欲しいものを増やすだけではなく、「なくても大丈夫なもの」を知っておくことも大切です。
家族それぞれ「譲れない条件」を3つ挙げてみよう
ここで、一度家族それぞれに聞いてみましょう。
「新しい家で、絶対に譲れないことを3つ挙げるなら?」
3つというところがポイントです。
10個挙げてもいいとなると、
「庭も欲しいし、収納も欲しいし、新築がいいし……」
と、また希望条件が増えてしまいます。
あえて3つに絞ることで、自分が本当に大切にしているものが見えてきます。
たとえば、
お父さん
「通勤30分以内・駐車場2台・予算」
お母さん
「学校区・家事動線・収納」
子ども
「自分の部屋・庭・学校が近い」
というように、それぞれ書き出してみます。
すると、
「学校や通勤を考えると、立地はかなり大事だね」
「庭より駐車場のほうが優先かな」
「収納は欲しいけど、ファミリークローゼットじゃなくてもいいかも」
と、家族としての優先順位が見え始めます。
紙やスマートフォンのメモでも構いません。
誰か一人が家族全員の希望を決めるのではなく、一人ずつ3つ挙げてみるのがおすすめです。
全員一致しなくてもOK
家族会議というと、「最後は全員の意見をまとめなければ」と思うかもしれません。
でも、最初から全員一致する必要はありません。
むしろ、
「そんなことを重視してたの?」
と初めて気づくこともあるでしょう。
毎日車で通勤する人と、家で過ごす時間が長い人。
小学生の子どもと、その保護者。
それぞれ生活が違うのですから、家に求めるものが違うのは自然です。
大切なのは、多数決で条件を決めることではありません。
「家族の誰が、なぜその条件を大切にしているのか」を知ることです。
たとえば、一人だけが「駅の近く」を希望していても、数年後に子どもが電車通学する予定があるなら、家族全体に関係する条件になります。
反対に、家族全員が「庭が欲しい」と言っていても、その理由が「なんとなく戸建てっぽいから」なら、本当に最優先なのか考えてみてもいいでしょう。
条件より「なぜ欲しいのか」を考える
希望条件を整理するとき、ぜひ繰り返してほしい質問があります。
「それって、なぜ欲しい?」
「4LDKが欲しい」
なぜ?
「子ども一人ずつに部屋を作りたいから」
「庭が欲しい」
なぜ?
「休日に子どもと外で遊びたいから」
「収納が多い家がいい」
なぜ?
「今の家では荷物がリビングに出てしまうから」
ここまで分かれば、選択肢は一つではなくなります。
子どもの部屋を確保できるなら、必ずしも最初から4LDKでなくても、将来間仕切りできる広い部屋がある家も候補になるかもしれません。
子どもが外で遊べることが目的なら、大きな庭だけでなく、ちょっとした屋外スペースや近くに公園がある物件も考えられます。
収納についても、単純な収納量より、必要な場所に収納があることのほうが暮らしやすい場合があります。
条件は「目的」ではなく、理想の暮らしを叶えるための「手段」です。
ここを忘れなければ、「条件に合う家を探す」だけではなく、「自分たちに合う家を探す」という考え方ができるようになります。
そして、もう一つ考えておきたいのが時間です。
今の家族にぴったりの家が、5年後、10年後も同じように暮らしやすいとは限りません。
次は少し先の家族を想像しながら、「これからの暮らし」について考えてみましょう。
6. 今だけでなく「5年後・10年後の暮らし」も考えてみよう
希望条件を考えるとき、どうしても基準になるのは「今の暮らし」です。
今の家族の人数、子どもの年齢、勤務先、所有している車の台数。
もちろん、現在の生活に合った家を選ぶことは大切です。
ただ、マイホームは長く暮らしていく場所。
5年後、10年後には、家族の暮らし方が今とは変わっているかもしれません。
とはいえ、何十年先まで完璧に予想する必要はありません。
「わが家には、これからどんな変化がありそう?」
家族で少しだけ未来の暮らしを想像してみましょう。
子どもの成長・独立
子どもが小さいうちは、リビングで家族と一緒に過ごす時間が多くても、成長すれば自分の部屋を欲しがるようになるかもしれません。
小学校、中学校、高校と進めば、通学方法や生活時間も変わります。
「今は子ども部屋を使わないから必要ない」と思っていても、数年後には必要になる可能性があります。
一方で、子どもが独立した後は、その部屋を使わなくなることも考えられます。
だからといって、将来を考えて必要以上に大きな家を選ぶ必要はありません。
子どもが小さいうちは一つの広い部屋として使い、成長したら間仕切りする。
独立後は、子ども部屋を書斎や趣味の部屋、来客用の部屋として使う。
そんなふうに、家族の成長に合わせて使い方を変えられるかという視点も持っておくといいでしょう。
通勤・転職・働き方の変化
今は毎日勤務先へ通っていても、5年後、10年後も同じ働き方をしているとは限りません。
転職や勤務地の変更、在宅勤務などによって、家で仕事をする時間が増える可能性もあります。
だからといって、「転職するかもしれないから、どこにでも行きやすい場所を」と考え始めると、なかなか家は決められません。
まずは現在の通勤を基準にしつつ、
「勤務先が変わった場合でも移動しやすいか」
「家で仕事をすることになったら、作業できる場所はあるか」
など、少しだけ選択肢を残しておく程度でも十分です。
未来を正確に予想するのではなく、暮らし方が変わったときに困りすぎないかを考えてみましょう。
車の台数
家を購入するときに意外と忘れやすいのが、将来の車の台数です。
今は夫婦で2台。
でも、子どもが成長して車を持つようになれば3台になるかもしれません。
反対に、年齢を重ねて車を1台に減らしたり、将来的に車を使わない生活になったりすることもあります。
特に車を日常的に使う地域では、駐車スペースは暮らしやすさに直結します。
現在必要な台数だけでなく、
「子どもが車を持つようになったら?」
「親や友人が来たときは?」
と考えてみると、必要な駐車スペースが見えてきます。
ただし、将来必要になるかもしれない駐車場のために、現在の予算や立地を大きく妥協する必要があるかは別の話です。
ここでも、「絶対に必要」なのか「できれば欲しい」のかを分けて考えてみましょう。
親との同居や老後
将来、親と同居する可能性がある家庭もあるでしょう。
その可能性が具体的にあるなら、
「一部屋増やしたほうがいい?」
「1階に居室があったほうがいい?」
などを家族で話しておいてもいいかもしれません。
また、親だけではなく、自分たち自身も年齢を重ねていきます。
今は階段の上り下りを何とも思わなくても、何十年後には負担になる可能性があります。
寝室やトイレ、お風呂など、毎日使う場所への移動はどうか。
玄関までに大きな段差はないか。
1階だけでもある程度生活できる間取りなのか。
今すぐ老後仕様の家を探す必要はありませんが、長く住むつもりなら、年齢を重ねたときの暮らしを一度想像しておくことも大切です。
家族構成が変わっても暮らしやすいか
家族の暮らしは、ずっと同じではありません。
子どもが生まれる。
子どもが成長する。
独立する。
親と暮らすことになる。
働き方が変わる。
車の台数が変わる。
家族が増えることもあれば、減ることもあります。
だからこそ、「今の家族に100%ぴったりの家」だけを探すのではなく、
暮らしが変わったときにも、使い方を変えながら住み続けられるか
という視点を持ってみましょう。
たとえば、今は子ども部屋として使っている部屋を、将来は趣味や仕事のスペースにする。
庭の一部を将来駐車スペースとして使えるようにする。
家族が減ったら、使っていない部屋を収納や来客用として使う。
家そのものを大きく変えなくても、暮らし方を変えることで対応できる場合があります。
もちろん、5年後、10年後のことを考え始めれば、心配はいくらでも増えていきます。
大切なのは、将来起こるかもしれないことを全部条件に加えることではありません。
今の家族が暮らしやすいことを基本にしながら、少し先の変化にも対応できそうか。
そのくらいの視点で考えてみると、家選びの基準がさらに見えてくるはずです。
そして、理想の暮らし、希望条件、将来のことまで考えたら、次に向き合いたいのが「予算」です。
どれだけ希望に合う家でも、購入後の生活に余裕がなくなってしまっては、思い描いていた暮らしとは違ってしまいます。
次は、「いくらの家を買えるか」だけではなく、買ったあとも無理なく暮らせるかという視点から予算を考えてみましょう。
7. 理想だけで決めない。「無理なく暮らせる予算」も条件のひとつ
ここまで考えてきた、
「住みたいエリア」
「欲しい間取り」
「駐車場は何台必要?」
「庭も欲しい」
といった希望条件。
そこにもう一つ、忘れずに加えておきたい条件があります。
それが、「無理なく暮らせる予算」です。
せっかく理想に近い家を購入しても、毎月の住宅ローン返済が家計を圧迫して、旅行や外食、子どもの習い事などを我慢することになってしまえば、「こんな暮らしがしたい」と考えていたマイホームとは少し違ってしまいます。
家を選ぶときは、建物や立地だけでなく、購入したあとも自分たちらしく暮らせるかまで考えて予算を決めていきましょう。
「買える家」と「無理なく暮らせる家」は違う
家探しを始めると、
「この年収なら、いくらまで住宅ローンを借りられる?」
「月々○万円なら、いくらの家を買える?」
と気になる人も多いと思います。
もちろん、「いくら借りられるのか」を知ることも大切です。
ただし、住宅ローンで借りられる金額と、無理なく返していける金額が必ず同じとは限りません。
📹動画で解説📹年収350万円ならいくら借りられる?
同じ年収の家庭でも、毎月必要なお金はそれぞれ違います。
子どもの人数や年齢、車のローン、保険、教育費、趣味、旅行、外食など、何にどれくらいお金を使うかは家庭によってさまざまです。
これから子どもの教育費が増える家庭もあれば、「年に一度は家族旅行へ行きたい」という家庭もあるでしょう。
だからこそ、
「いくらまで借りられる?」だけでなく、「毎月いくらなら無理なく返せる?」
という考え方が大切です。
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住宅ローンのために暮らすのではなく、自分たちがしたい暮らしをするために家を買う。
家族会議では、家の希望条件と一緒に「購入後も大切にしたいこと」についても話してみましょう。
住宅ローンだけでなく購入後の生活費も考える
家を買ったあとの住居費は、住宅ローンだけではありません。
固定資産税などの税金がかかりますし、長く住んでいれば建物や設備の修繕が必要になることもあります。
マンションなら管理費や修繕積立金、駐車場代などが毎月必要になることもあります。
さらに、家を購入したことで生活そのものが変わる場合もあります。
たとえば、便利な場所から郊外へ引っ越したことで車がもう1台必要になる。
家が広くなったことで家具や家電を買い足す。
庭付きの家を購入して、庭の手入れに費用がかかる。
こうしたお金も、実際に住み始めてからの家計には影響します。
物件価格だけを比較するのではなく、「この家で暮らしたら、毎月・毎年どんなお金がかかる?」という視点も持っておきましょう。
光熱費や維持費も住まいによって変わる
毎月の電気代やガス代、水道代などの光熱費も、住まいによって変わります。
たとえば、今より広い家へ引っ越せば、冷暖房するスペースも広くなるかもしれません。
家族それぞれが個室で過ごすようになれば、複数の部屋でエアコンを使うこともあります。
一方で、住宅の断熱性能や設備によって、エネルギーの使い方は変わります。
つまり、
「広い家だから光熱費が高い」
「新しい家だから必ず安い」
と単純に決まるものではありません。
また、戸建てなら外壁や屋根、給湯器など、将来的に修繕や交換が必要になるものがあります。
中古住宅であれば、購入価格だけでなく、今後どこに修繕が必要になりそうなのかも考えておきたいところです。
家を買うときには、どうしても数千万円という購入価格に目が向きます。
でも実際の暮らしでは、毎月の電気代や数年・十数年後のメンテナンス費用も家計の一部です。
「買うときにいくらか」だけではなく、「住み続けるのにどれくらいかかるか」も住まい選びのポイントとして考えてみましょう。
特に暑い夏は、エアコンを使う時間も増えて「家を買ったら電気代ってどうなるんだろう?」と気になる人もいるかもしれません。
夏の電気代と家選びについては、次回(8/20更新予定)の記事で詳しく取り上げます。
条件と予算のバランスを考えよう
理想の家について家族で話していると、希望はどうしても増えていきます。
人気のエリア。
広い土地。
新築。
広いLDK。
駐車場3台。
大きな庭。
たっぷりの収納。
もちろん、予算内ですべて叶えば理想的です。
でも、予算を上げなければ実現が難しい場合は、
「本当に全部必要?」
と一度考えてみましょう。
たとえば、
希望するエリアは変えず、中古住宅まで候補を広げる。
新築にはこだわるけれど、探すエリアを少し広げる。
庭の広さより駐車場を優先する。
LDKの広さより収納や家事動線を優先する。
このように、何かを諦めるだけではなく、優先順位を変えることで予算とのバランスを取る方法もあります。
ここで、前の章で整理した、
「絶対に譲れない条件」
「できれば叶えたい条件」
「なくても困らない条件」
が役に立ちます。
予算に合わないからと、最初から「欲しいもの」を全部諦める必要はありません。
反対に、理想を全部叶えるために、無理に予算を上げる必要もありません。
家を買ったあとに、どんな暮らしをしたいのか。
家族で休日を楽しみたい。
子どものやりたいことを応援したい。
趣味も続けたい。
たまには旅行にも行きたい。
そんな暮らしも含めて、マイホームです。
「理想の家を買える予算」ではなく、「理想の暮らしを続けられる予算」を考える。
それも、わが家に合った家を見つけるための大切な条件のひとつです。
8. 条件が全部決まっていなくても、家探しは始められる
ここまで、家族で希望を出して、優先順位を決めて、将来の暮らしや予算について考えてきました。
でも、
「まだ住みたいエリアが決まらない」
「戸建てかマンションか迷っている」
「新築もいいけど、中古も気になる」
「そもそも予算がいくらなのか分からない」
という人もいるでしょう。
大丈夫です。
家探しは、すべての条件が決まってから始めるものではありません。
むしろ、実際に物件を見たり、不動産会社に相談したりする中で、「自分たちは何を大切にしたいのか」が分かってくることもあります。
100点の物件を探そうとすると決められなくなる
家は大きな買い物です。
「せっかく買うなら後悔したくない」
「もっといい物件が出てくるかもしれない」
そう考えるのは自然なことです。
ただ、希望条件をすべて満たす「100点の物件」だけを探していると、なかなか決められなくなることがあります。
立地はいいけれど、庭が少し狭い。
間取りは理想的だけれど、築年数が希望より古い。
新築で設備も気に入ったけれど、希望していたエリアから少し離れている。
実際の物件では、このように「ここはすごくいい。でも、ここは少し違う」ということも珍しくありません。
そんなときに役立つのが、これまで整理してきた希望条件の優先順位です。
「学校区は絶対に変えたくない。でも庭はなくてもいい」
「駐車場2台は必要。でもLDKの広さは少し妥協できる」
と分かっていれば、物件を見る基準ができます。
大切なのは、100点満点の物件を探すことより、自分たちが大切にしたい条件を満たし、納得して暮らせる家を探すことです。
実際の物件を見ることで希望条件が変わることもある
家族会議で希望条件を考えることは大切ですが、頭の中だけでは分からないこともあります。
たとえば、
「LDKは絶対20帖以上!」
と思っていたけれど、実際に18帖のLDKを見てみたら、
「この広さなら十分かも」
と感じるかもしれません。
反対に、
「収納はそんなに多くなくていい」
と思っていたのに、収納が充実した家を見て、
「これ、かなり便利そう」
と優先順位が上がることもあります。
庭についても、写真では「ちょっと狭いかな」と思っていたのに、現地で見ると子どもが遊ぶには十分だった、ということもあるでしょう。
物件情報の「○帖」「○㎡」「徒歩○分」という数字だけでは、実際の感覚までは分かりません。
物件を見ること自体が、希望条件を整理する方法のひとつです。
「買うと決めてから内見する」のではなく、「自分たちに合う家を知るために見てみる」という考え方でもいいのです。
「何が欲しいか分からない」も立派な相談内容
不動産会社へ相談するとなると、
「希望条件を決めてから行ったほうがいいのかな」
「まだ買うと決めたわけじゃないし……」
と思う人もいるかもしれません。
でも、
「家は欲しいけれど、何から考えればいいか分からない」
「戸建てとマンションで迷っている」
「新築と中古、どちらが自分たちに合うのか分からない」
「今の収入なら、どのくらいの価格帯で探せばいい?」
こうしたことも、十分な相談内容です。
むしろ、最初から条件を細かく決めすぎるより、
「こんな暮らしがしたい」
というところから相談したほうが、思っていなかった選択肢が見つかることもあります。
たとえば、「庭付きの家が欲しい」という希望でも、話を聞いていくと「子どもが外で遊べる場所が欲しい」ということが一番の目的かもしれません。
それなら、庭の広さだけにこだわらず、公園が近い物件まで候補を広げることもできます。
「条件が決まっていないから相談できない」ではなく、条件を決めるために相談するという使い方もあります。
不動産会社と一緒に条件を整理する方法もある
不動産会社の役割は、希望された条件に合う物件を紹介するだけではありません。
「どんな暮らしがしたいのか」
「なぜそのエリアを希望しているのか」
「何を一番大切にしたいのか」
「予算はどのくらいが無理のない範囲なのか」
といった話をしながら、家探しの条件を一緒に整理していくこともできます。
また、実際に販売されている物件を見ながら、
「この予算なら、希望エリアではどんな家がある?」
「エリアを少し広げたら?」
「中古まで候補に入れたら?」
と比較してみると、家族だけで考えていたときより具体的になります。
そして、相談したからといって、その場ですぐに家を決める必要はありません。
まずは自分たちの希望を整理して、どんな選択肢があるのかを知る。
そこから家探しを始めてもいいのです。
もし、
「家を買いたい気持ちはある。でも、まだ何も決まっていない」
という段階なら、そこが家探しのスタート地点かもしれません。
希望するエリアも、予算も、間取りも、最初から完璧に決まっていなくて大丈夫。
まずは「どんな暮らしがしたいか」を話しながら、自分たちに合った家の条件を一緒に整理していきましょう。
9. 家族会議で使える「わが家の希望条件チェックリスト」
ここまで読んで、
「一度、家族で話してみようかな」
と思ったら、次のチェックリストを使って希望条件を書き出してみましょう。
全部を決める必要はありません。
「まだ分からない」「どちらでもいい」という答えもOKです。
大切なのは、家族で話しながら、わが家が何を大切にしたいのかを少しずつ見つけることです。
わが家の希望条件チェックリスト
□ 住みたいエリア
第一希望:____________
第二希望:____________
その他、検討できるエリア:____________
「○○町」と限定せず、「職場まで車で30分以内」「実家へ行きやすい場所」「○○小学校区」などでも構いません。
□ 予算
物件価格の希望:____万円くらいまで
毎月の住宅ローン返済:____万円くらいまで
まだ分からない □
「いくら借りられるか」だけでなく、購入後も無理なく生活できる金額を考えてみましょう。分からない場合は、無理に決めなくても大丈夫です。
□ 戸建て/マンション
□ 戸建て
□ マンション
□ どちらも検討したい
□ まだ分からない
選んだ理由:____________
「庭が欲しいから戸建て」「便利な場所で探したいからマンション」など、理由も書いておくと条件を整理しやすくなります。
□ 新築/中古
□ 新築
□ 中古
□ どちらも検討したい
□ まだ分からない
新築・中古を最初から限定しなければ、物件の選択肢が広がることもあります。
□ 部屋数・広さ
希望する間取り:____LDK
LDK:____帖くらい
必要な部屋:
□ 夫婦の寝室
□ 子ども部屋
□ 和室
□ 書斎・仕事部屋
□ 趣味の部屋
□ その他:____________
部屋数だけでなく、「誰が何に使う部屋なのか」まで考えてみましょう。
□ 駐車台数
現在必要:____台
できれば:____台
将来的に必要になりそう:____台
来客用の駐車スペース:
□ 欲しい
□ なくてもOK
□ まだ分からない
現在の車の台数だけでなく、子どもの成長などによって将来増える可能性も考えてみましょう。
□ 通勤・通学
勤務先まで:____分以内
学校まで:____分以内
希望する学校区:____________
駅・バス停:
□ 近いほうがいい
□ 車移動が中心なので重視しない
□ まだ分からない
距離だけでなく、実際の移動方法や通勤時間帯、通学経路も考えてみましょう。
□ 買い物・生活利便性
近くに欲しい施設:
□ スーパー
□ コンビニ
□ 病院
□ 公園
□ 駅・バス停
□ 学校・保育施設
□ その他:____________
「徒歩圏内がいい」「車で10分程度ならOK」など、どのくらいの距離まで許容できるかも話してみましょう。
□ 庭・収納・設備
欲しいもの:
□ 庭
□ ウッドデッキ
□ 対面キッチン
□ パントリー
□ ファミリークローゼット
□ ランドリールーム
□ 吹き抜け
□ 書斎・ワークスペース
□ その他:____________
チェックしたものについて、
「なぜ欲しい?」
も一緒に考えてみましょう。
庭が欲しい
→ 子どもと遊びたい。
パントリーが欲しい
→ 食品をまとめ買いすることが多い。
書斎が欲しい
→ 在宅勤務で集中できる場所が必要。
理由が分かると、本当に必要な条件なのか判断しやすくなります。
最後に「絶対に譲れない条件」を3つ
ここまで書き出したら、最後に家族それぞれが「これだけは譲れない」という条件を3つ選んでみましょう。
お父さん
-
____________
-
____________
-
____________
お母さん
-
____________
-
____________
-
____________
子ども
-
____________
-
____________
-
____________
そして、家族みんなの希望を見比べてみます。
同じ条件が入っているなら、それはわが家にとって優先順位の高い条件かもしれません。
違う条件が並んでいても問題ありません。
「どうしてこれを選んだの?」
と話してみることで、家族が家に求めているものが見えてきます。
全部埋まらなくても大丈夫
チェックリストをやってみても、
「予算が分からない」
「戸建てとマンション、まだ決められない」
「希望エリアはあるけれど、その地域で予算に合う家があるの?」
と、分からないところが残るかもしれません。
それで大丈夫です。
むしろ、その「分からない」が、これから調べたり相談したりするポイントになります。
家探しを始めるために、すべての答えを家族だけで出しておく必要はありません。
「このエリアに住みたい」
「駐車場は2台欲しい」
「予算はまだよく分からない」
最初はそのくらいでも十分です。
実際の物件を見たり、不動産会社に相談したりしながら条件を変えていくこともあります。
このチェックリストは「理想の家を完成させるための答え」ではなく、家族で家探しを始めるためのきっかけとして使ってみてください。
10. まとめ|「どんな家?」より「どんな暮らし?」から始めよう
「家を買いたい」と思っても、最初から希望条件がすべて決まっている家族はそう多くありません。
戸建てがいいのか、マンションがいいのか。
新築か中古か。
どのエリアで、何LDKで、予算はいくらまでなのか。
考え始めると、決めることがたくさんあります。
でも、最初からすべての答えを出す必要はありません。
まずは家族で、
「新しい家で、どんな暮らしがしたい?」
と話してみることから始めてみましょう。
通勤をラクにしたい。
子どもがのびのび過ごせる家にしたい。
家事の負担を減らしたい。
休日は庭で家族と過ごしたい。
今より収納が欲しい。
そんな希望を出していくと、自分たちが住まいに求めているものが少しずつ見えてきます。
希望がたくさん出てきたら、「絶対に譲れない」「できれば叶えたい」「なくても困らない」の3つに分けてみる。
そして、「なぜその条件が欲しいのか」まで考えてみる。
それだけでも、家探しの基準はかなり整理できます。
もちろん、家族会議だけで理想の家を完成させる必要はありません。
実際に物件を見てみると、
「18帖でも思ったより広いね」
「庭より駐車場3台のほうが大事かも」
「中古も見てみたら意外といい」
など、それまで考えていた希望条件が変わることもあります。
家探しは、条件を全部決めてから始めるものではなく、探しながら自分たちに合う条件を見つけていくものでもあります。
だから、
「家は欲しいけれど、何から始めればいいか分からない」
「希望エリアはあるけれど、予算が分からない」
「戸建てとマンションで迷っている」
「新築と中古、どちらが自分たちに合うのか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。
まずは今回のチェックリストを使って、家族で「こんな暮らしがしたい」を話してみてください。
そして、実際にどんな物件があるのか気になったら、物件を見てみるのも次の一歩です。
大分中古住宅×リノベーション専門店では、まだ希望条件が決まっていない段階からのご相談も承っています。
「何を選べばいいか分からない」というところから、一緒に希望を整理していくこともできますので、気になる物件がある方はもちろん、これから家探しを始めたい方もお気軽にご相談ください。
「どんな家を買う?」の前に、「どんな暮らしがしたい?」から。
この夏、家族でこれからの住まいについて話してみませんか?



